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■ トランプ大統領「貿易戦争」の行方
平成30年7月豪雨で被災された皆様、心よりお見舞い申し上げます。

ニュースを見ていても、あまりに範囲が広く、いろいろなところで被害が発生しすぎていて、どこで何がどうなっているのか把握できないくらいでした。

その後の猛暑もものすごかったですね。

ここのところ毎年のように大規模な災害が発生していますが、やはり地球温暖化の影響なのでしょうか。

この原稿を書いている現在は久しぶりに少し涼しく感じられる気温ですが、
今年は台風もたくさん来そうですし、警戒して警戒しすぎることは有りません。

皆様、お互い十分注意して備えましょうね。


さて今回のテーマですが・・・。

正直手に余るのであまり取り上げたくなかったんですが、こうなってくると貿易や国際物流に関わる者として触れないわけにはいかない気持ちになって来ました。

トランプ大統領が仕掛けてこの後どうなるのか、世界が固唾をのんで見守っている、貿易戦争の話です。

とはいえもちろんKAUぞうは経済学者でも何でもありませんので、大したことが書けるわけではありません。

ただ、何がどうなってどうなりそうなのか、国際物流やKAUぞうの仕事にどう影響して来そうなのか。
そのあたりについてざっくりと、勉強を兼ねてチャレンジしてみたいと思います。


まずは経過の整理です。

3月1日 アメリカが安全保障を理由に鉄鋼25%、アルミ10%。の追加関税を
      かける方針を発表。対象国は中国だけでなく全ての国。

3月23日 アメリカによる中国への鉄鋼、アルミ製品への追加関税措置が発動。
      これに対し中国商務省は、128品目のアメリカ製品に対し約30億ドル
      の追加関税をかける報復措置の計画を発表

4月1日 中国がアメリカから輸入する果物など128品目のアメリカ製品に15%-
25%の報復関税措置を行うことを発表

5月3日 北京にて米中閣僚級会議が開催。

5月17日 ワシントンにて米中閣僚会議が開催。

5月22日 中国が自動車および自動車部品などの関税の引き下げ措置を発表。

5月31日 アメリカ、同盟国には一時的に適用を除外していた鉄鋼、アルミニウム
     への追加関税を適用開始すると発表

6月5日 メキシコ、アメリカ産の豚肉、リンゴ、ジャガイモ、バーボン、鉄鋼など30億
      ドル(約3300億円)を対象に報復関税を発動

6月8日 G7主要国首脳会議が開催。

6月16日 アメリカ、中国から輸入される自動車や情報技術製品、ロボットなど
      1,102品目に対し、7月6日から段階的に500億ドル規模の追加関税措
      置を行うと発表。
      中国側も対抗措置として自動車や農産物など659品目について追加
      関税措置を発表。

6月22日 EU加盟28カ国、バーボン・ウイスキー、オートバイ、オレンジジュース
      など計28億ユーロ(3600億円)相当の製品を対象にアメリカの鉄鋼・
      アルミニウム追加関税への対抗措置を発動。

7月1日 カナダ、アメリカの鉄鋼製品や食品など166億カナダドル(約1兆4000
     億円)分を対象に報復関税を発動

7月6日 アメリカ、中国から輸入される818品目に対して340億ドル規模の追加
     関税措置を発表。
     中国も同規模の報復関税を発動。

7月10日 アメリカ、中国の報復関税に対する追加措置として、中国からの衣料
      品、食料品など6,031品目に2,000億ドル規模の追加関税を検討するこ
      とを発表。

7月19日 トランプ大統領、米国に輸入される中国製品5000億ドル相当に追加
      関税をかける「用意がある」と発言。


整理すると、7月末現在で発動されているのは

・アメリカが全ての国を対象にした鉄鋼25%、アルミ10%の追加関税措置

・中国がアメリカのワインやナッツ類など120品目に15%、豚肉など8品目に25%
 かけた報復関税

・メキシコ、カナダ、EUがアメリカの鉄鋼・アルミの追加課税に対して発動した対抗措置

・アメリカの中国に対する818品目340億ドル相当に対する25%の追加関税

・中国が報復で発動した大豆や自動車など545品目・340億ドル相当の米国製品を
対象にした25%の追加関税


7月25日、トランプ大統領と欧州委員会のユンケル委員長が首脳会談を行い、
「貿易を巡る協議を進めていく間は新たな関税を導入しないことで合意」
これにより米・EUの貿易戦争は「土壇場で回避」、という話になりました。

自動車・自動車部品が次の追加関税の対象だったんで、これが実行されると相互の報復が大変なことになるところだったそうです。

アメリカが課した鉄鋼・アルミへの追加関税と、それへのEUの対抗措置は当分そのまま。
EUとは合意したようですが、カナダ・メキシコとはまだ揉めたままのようですね。


・・・・ここまで結構時間をかけて調べて思った事を書くと・・・

世界1位2位の経済大国の戦いということで「米中貿易戦争」が意識の中心になっていましたが、北米自由貿易協定(NAFTA)を結んで経済を一体化させてきたカナダ、メキシコとの関係が相当こじれちゃってるんですね。

メキシコとは移民問題も絡んでいるし、近くて、肌ならぬ国境を接する密接な関係だけに、一旦こじれるとなかなかややこしくなるんでしょうか。


それと、もともと「国際物流への影響」に絞った切り口で調べようと思っていたんですが、
意外とそれほどの影響が直接的にあるわけではないようです。


7月9日 日本海事新聞掲載の記事で紹介された英調査会社ドゥルーリーの見方を紹介します。

・米中貿易戦争はコンテナ船事業に潜在的に大きなダメージをもたらす危険性がある

・最悪の場合、世界のコンテナ荷動き量の1%、180万TEUが喪失すると試算

・但し7月6日アメリカが発動した中国製品818品目(約350億ドル)に、追加として審査している284品目(約160億ドル)のリストを加えても、20万TEU程度


最悪で1%。現在の具体的なリスト全部で20万TEU、つまり0.11%・・・。

実際のインパクトは良くわからないですが、正直それほどの規模でもないですよね。

もちろんコンテナの荷動きに限った話で、考えてみたら鉄鋼にしろ大豆にしろ、コンテナ船ではなく専用船=貨物船一隻丸々に鉄鋼とか大豆とか=で運ぶものなので、コンテナ船への影響が少ないのは当然かもしれません。

また、サプライチェーンが・・・というのも「それほどでもないんじゃないか」との見方があるようで、これも日本海事新聞の7月25日の記事。

サプライチェーンの専門家「ジャーナル・オブ・コマース」の編集長ピーター・タスクウェル氏の署名記事。タイトルだけ引用すると「サプライチェーンの影響は軽微に」。

ここでも考えてみると、関税が上がったからと言ってすべての対象貨物が止まるわけではないですよね。
必要なものは引き続き輸入されるし、関税分は輸入業者から、やがて消費部門へと流通の過程で価格に転嫁されて吸収されていく。

それによってアメリカの最終消費者が結局損をするとか、消費に悪影響を与えてアメリカの景気減速につながってうんぬん・・ってのはまた別の次元の話です。


ということで、

米中貿易戦争 → 貨物の激減 → 国際物流の危機

みたいなイメージで書き始めたんですが、意外とそうストレートに連関するものでもないみたいですね。

むしろ問題は、トランプさんがやらかすあれやこれやが世界のあちこちに影響を与えて
それらによる世界経済の不安定化や減速というルートでの、「世界貿易の減少」「国際物流貨物の減少」というリスクの方にあるようです。

・・・と、わかったようなことを書いて終わりにします・・・・。

やはりテーマがでかすぎましたね。


いかがでしたでしょうか。
読んで、少しは「へぇ」と思っていただけたのであれば幸いです。

引き続きご愛読のほどよろしくお願い申し上げます。

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[2018/07/28 00:03] | 時事ご案内 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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