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■ 2020年1月1日スタートの二つのトピックの話
皆様あけましておめでとうございます。

今年は12/28(土)から1/5(日)まで、年末年始9連休だった、という方も多かったんじゃないでしょうか。

KAUぞうのところも同様で、久しぶりにゆっくりとした年末年始を過ごすことができました。

特に泊りで旅行に行ったりってのはしなかったんですが、いつもは下手すると大晦日になっちゃう年賀状書きも少し早目に出来ましたし、大掃除も追い詰められた感じじゃなく(比較的にですが)計画的にできたし、とに

かく「余裕のある」という形容がぴったりくる年末年始でした。

しかし年末のゴーンさんの脱出劇や、そうかと思ったら新年早々の米軍によるイラクでのイラン軍高官攻撃。
びっくりしましたね。

今年はオリンピックイヤーでもありますし、何とか穏やかで平和な年になってほしいものです。

さて、国際物流の話でいうと、船舶SOx(硫黄酸化物)規制がいよいよ2020年1月1日よりスタートしました。

これは2016年10月に開催された国際海事機関の海洋環境保護委員会で、船舶の燃料油に含まれる硫黄分濃度を現状の3.5%以下から0.5%以下とすること、その規制を2020年1月から適用すること、が決定されていたもの。

昨年後半はこれへの対応や、そこでのトラブルについての記事が業界紙をにぎわしていました。

前にもここで書きましたが、結局この規制に対応するには、燃料を値段が高い、硫黄分の低いものに切り替えるか、船に「スクラバー」と呼ばれる排ガス浄化装置を搭載するかしか具体的な対策はありません。

ところが硫黄分の低い「規制適合油」。硫黄分についてとかの規格は定まっても、粘度とか、細かいところは揃っているわけじゃないんで、実際に給油してテストしてみないとわからない。

試してみたら燃料タンクの中に大量の沈殿物(スラッジ)がたまっちゃったり、燃料噴射装置やフィルターが目詰まりをおこしちゃったり、いろいろ不具合が出て来ちゃった。

スクラバー(排ガス浄化装置)にしても、まず船を定期航路から外して取り付け工事をしなきゃいけないし、技術的な細かいことは書きませんが(本当はよくわからない・・・)、これも実際に動かしてみるといろいろ不都合が出たりする。

それにどちらにしても費用が掛かるわけで、その分を海上運賃に「サーチャージ」という形で載せて転嫁しなければならないって話もあって、これがまた船社によっていろいろな名前や金額で出てきたりという問題もありました。

現時点でまだスクラバー搭載のために係船されている船が結構あり、コンテナ船の船腹がひっ迫しているとの報道がありますが、とりあえずコンテナ定航の各船社は対応ができたようです。

この1月1日からの国際物流・貿易の世界でのもう一つのトピックは日米貿易協定の発効です。

なんだか日米当局間でいろいろ交渉はしているようだけれど、本当に協定が結ばれるのか、国会を通るのか。

なんて思っている内に、昨年の12月4日、あっさり・・・かどうか本当のところはよくわかりませんが、印象として・・・参院を通過して、1月1日発効が決まっちゃいました。

で、KAUぞうのところでも、米国から輸入をされているお客様からいろいろ問い合わせがあったり、いつもなら年末に急いで通関するところを「年明け日米貿易協定が発効してから申告してくれ」というご指示を頂いたり。

どんどん積みあがっていく「申告保留」の書類を見て、ただでさえ例年より長い年末年始9連休明けの1月6日はどいうことになるんだろうと、ちょっと怖かったりしました。

実際に年が明けて約1週間、今のところ日米貿易協定がらみでは特に問題もなく申告・許可が進んでいるようです。

通関担当者に聞いたところ、TPPや日EU・EPAと違って、対象品目が一次産品、つまり農産物とかが多いこともあって意外と日米貿易協定関税適用のハードルが低いとのこと。

記憶に新しい日EU・EPAだと、加工食品だと、原料のどれがどの国のものかとか、原産地の割合がどうとか結構面倒でした。主要部分の産地がどこかだけじゃなくて、調味料や添加物がどこのものだとか、どこで加工したかとか。

それに対して確かに農産物の一次産品でしたら「どこの農場で採れたものか」だけで米国産かどうかの確認は済みますものね。


さて、スタートした2020年、「令和」で迎えた最初の新年ですが果たしてどんな年になるでしょうか。

中東でのキナ臭い話以外にも、米中貿易戦争の行方とか、Brexit後の英・EUの貿易協定がどうなるのかとか、いろいろ心配なことは山積みです。

世界の平和と安定があっての国際貿易・国際物流であり、そのようなモノや人の交流が積み重なっての国際間の平和ですから、是非是非いろいろなことが平和に解決される一年になってほしいと思います。

いかがでしたでしょうか。

読んで、少しは「へぇ」と思っていただけたのであれば幸いです。

引き続きご愛読のほどよろしくお願い申し上げます。

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[2020/01/09 16:24] | 時事ご案内 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
■ 気候変動でパナマ運河が危ない話
台風15号に続いて19号が関東を直撃して日本列島を縦断するコースをとり、またもや大変大きな被害が出ました。

被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。

15号の時は、KAUぞうのところの大黒事業所でも、雨なのか波をかぶったのか、事務所内部の海側の窓の周辺が濡れていたり、ブレーカーが落ちていたりといったことがありました。

幸い事務所内の設備やOA機器に被害はありませんでしたし、電気もブレーカーを上げただけで問題なく通電したので実質的に被害はありませんでした。

今回も心配したのですが、雨量は多かったものの、波風はそれほど強くなかったのか、そう言った状況は発生しなかったようです。

テレビの解説などで何度も言われていましたが、台風が大型化・強力化し、日本に上陸する頻度が多くなった原因は、日本近くの海水の温度が上がったためだとのこと。
海水の温度が高いから台風がエネルギーを補給でき、以前みたいには勢力が弱まらずにそのまま日本まで来ちゃうってことだそうですね。
世界的な気候変動の影響が、「台風」という形で身近なところに迫ってきちゃってるってことなんでしょうか。

今日は、そんな気候変動が海上輸送に影響を与えている、最近報道を見て驚いた話・・・というか問題をご紹介します。

みなさん、パナマ運河というのをご存じだと思います。
南北アメリカ大陸をつなぐ地峡のところで、太平洋とカリブ海=大西洋側を結ぶ運河で、アメリカの東海岸から日本を含むアジアに向けて貨物を運ぶ船にとって大変重要な通路です。世界の海上貿易の3%を担っていると言われています。

ここが近年の気候変動によって危機に陥っているというんですね。

パナマ運河は全部が通常思い浮かべるような「運河」になっているわけじゃなくて、5分の2が川をせき止めて作った「ガトゥン湖」という人造湖だそうです。

このガトゥン湖というのがパナマ運河の標高最高地点で海抜26メートルあり、ここまで太平洋側からも、カリブ海側からも、閘門で水位を上昇させることで船を持ち上げてたどり着く仕組みになっているとのこと。「船に山を越えさせる」と言われる仕組みだそうです。
このガトゥン湖、パナマ市にとっての水瓶でもあり、運河の通航料はパナマにとって最重要な収入源でもあり、まさに「パナマの生命線」といえる重要な湖です。

ところが気候変動によって雨期に降る雨の量が減ったために、このガトゥン湖の水位が減っています。2019年は「1903年のパナマ独立以降最悪の干ばつ」で、水深が本来の水準より1.8mも浅くなっちゃった。

そこで船底が湖底をこすらないようにするため、最大サイズの大型船には積載量の制限をかける状況となり、さらにこのままだともう一回り小さな船にまで積載制限をかけなければならない恐れが出てきたとのこと。

必要な航路部分だけでも湖の底を掘って深くできればいいんでしょうが、地質的に弱くて、湖底を掘り下げると近くの山が崩れてしまうためにそれも無理だそうです。

しかもガトゥン湖がパナマ運河の一番標高の高い場所で、海に向かっては「船を下ろしていく」という構造上、船が運河の水門を通る度に2億リットルというとんでもない量の水を船と一緒に放出することになるので、船を通せば通すほどますます水位がさがってしまう。
このままだと、パナマ市への水の供給やパナマ運河からの収入の減少の問題に留まらず、航路の不安定さを避けるために海運各社が別ルートを選ぶようになる可能性もあるという話です。

その代替ルートとして挙げられているのが、温暖化によって氷が解け、船舶の通行が可能になりつつある北極圏を通る航路だとのことで、地球温暖化が海上輸送に大きな変化をもたらしつつある象徴的な出来事なんじゃないかと思います。

さらにさらに、この温暖化による海面の上昇で、カリブ海側では人気のリゾート地であるサンブラス諸島が水没しつつあるというんですから、パナマにとってはほんとに踏んだり蹴ったりな話です。

国連気候行動サミットでのグレタ・トゥンベリさんのスピーチも迫力でしたが、「絶滅に向かっている」とは言わないまでも、気候変動、温暖化がいよいよ直接経済活動に大きな影響を与えるようになりつつある出来事ですね。

いかがでしたでしょうか。

読んで、少しは「へぇ」と思っていただけたのであれば幸いです。

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[2019/10/15 19:53] | 時事ご案内 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
■ 食料品の消費税の減免税が意外と関係があって厄介だった話
台風15号の関東直撃、びっくりしましたね。
被害にあわれた皆様には心よりお見舞い申し上げます。

月曜日の朝の通勤、ご苦労された方も多かったんじゃないでしょうか。

KAUぞうも駅で改札を通るまでに並んで、超満員電車になんとか乗り込み、ようやく浜松町についたらものすごい暑さ。
会社についた時点でヘロヘロになってました。

今年は7月の途中までなかなか暑くならなくて、暑くなったと思ったらとんでもない真夏日が続き、台風やら豪雨やら、明らかに気候がおかしくなった感のある夏でしたね。

世界経済や政治の世界も明らかにいままでとは「気候」が変わっ来た様子です。

米中貿易戦争に日韓関係、英国のブレクジットもどうなるかわからないし、イランの核合意離脱を巡るホルムズ海峡のタンカー運航の危険や、数え上げたらきりがないくらい事件というか問題があって、それらについて何かあるたびに経済の方もガタピシしています。

日本でもいよいよ消費税の増税が目前に迫ってきました。
今日はその消費税、それも今色々と話題(問題?)になっている、食料品の減免税について書こうと思います。

海外から貨物を輸入する際、品物によって関税がかかります。いま米国と中国がお互いに掛け合ったり税率を上げ合ったりしている、あれですね。

品物によって無税だったり税率が変わるんで、お客様のご依頼を受けてどの税率を適用するかを決めて税関に申告するのがKAUぞうのところの仕事わけです。

関税とは別に、輸入する際には「輸入消費税」もかかります。国内で生産された品物であれば最初に生産者から卸業者などに販売する段階で課税されますが、海外から来た品物の場合は、最初、税関が輸入の際に徴収する仕組みです。

で、問題になるのが食料品に対する減免税です。

「どうも本当に消費税の増税が実施されそうだぞ」となったあたりから、マスコミでいろいろ取り上げられてますよね。
例えばファストフード店やコンビニで購入した食べ物を持ち帰ると8%だけど、店内で食べると10%になる。どうやって区別をつけるのか、とか。

最初の内KAUぞうも、「いやー分かりにくいよねぇ。お店の人大変だなぁ」なんてのんきに見てたんですが・・・・待てよ、と。これ、輸入消費税もめっちゃ関係あるやん!と気づいたのが、ある営業担当者へのお客様からの問い合わせでした。

輸入する貨物が食品かどうかなんて、一見はっきりしていると思いますよね。ところが、例えば「塩」なんてどうでしょう。

「フランスなんとか地方の高級○○塩」とかであれば食品だとはっきりしています。でも、塩って実は工業用の原料だとか、道路の凍結防止用だとかで輸入されるものも結構あるんですよね。

それ以外にも食品添加物として使用される化学品だって、食品に使用するか、他のものに使用するか、全く同じものでも用途によって食品かどうかが違っちゃいます。

で、慌てて色々調べたんですが、これが意外と税関からのアナウンスが無いんです。
やっぱり税関というよりも国税庁が主な担当官署だからでしょうか。

ようやく見つけたのがこちら。今年4月の神戸税関からの案内です。
http://www.kanzei.or.jp/kobe/kobe_files/pdfs/cus_info/20190425keigen.pdf

ざっと見ていただいて、「意外とめんどくさそう」というのを分かっていただければなぁと・・・。

いかがでしたでしょうか。

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[2019/09/09 19:31] | 時事ご案内 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
■ 今そこにある危機 ― 宅配便ほど注目されてないけれど東京の港湾物流がまじヤバイ!というお話
梅雨が明けましたね。

今年は記録的に日照時間が少なかったそうですが、梅雨が明けた途端にものすごい暑さですね。
梅雨の間の九州・中国地方の豪雨も凄かったですね。
ヨーロッパでも異常な熱波が来たそうで、やはり温暖化の影響が確実に進んでいるんでしょうか。

今日は東京港の「物流危機」ついてです。

色々と報道されているのでご存じの方も多いと思いますが、東京五輪まで残り1年を切る中、五輪開催期間中の交通の混雑対策のテストとして現在「テレワーク・デイズ2019」というのが行われています。
テレワーク・デイズ2019HP https://teleworkdays.jp/

期間は7月22日から9月6日まで。
この取り組み、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省、内閣官房、内閣府が、東京都および関係団体と連携して2017年から毎年行っているもので今年は3年目。
内容はこの期間、在宅勤務、サテライトオフィス勤務、時差出勤を行って、五輪客で混雑する都内の交通の混雑緩和を図ろうというものです。

いま大きなテーマになっている「働き方改革」の方法の一つ、テレワークを浸透させる目的も含め、いわば一石二鳥の計画です。

その他東京五輪中の混雑対策として、7月24日と26日には首都高速道路の入り口閉鎖なども行われました。
結果的には電車・道路とも、それほど大きな混雑緩和の効果は出なかったようで、来年の本番に向けて、これからまだいろいろな取り組みが行われると思います。

ちなみに、KAUぞうの本社があるビル、JR浜松町駅南口から徒歩6分。ゆりかもめの竹芝駅から徒歩3分。お台場やベイブリッジを臨む、ついでに言っちゃうとオリンピック選手の宿舎を海の向こう側に臨む場所にあるんですが、東京五輪「臨海部混雑マップ」を見ると載っていない、という微妙な位置だったりします。

臨海部混雑マップ
http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/06/19/documents/09_01a.pdf

この来年の東京五輪がらみで東京港臨海部の混雑がいろいろ取り上げられてるんですが、実は今回話したいのはそこではありません。

見ていただきたいのが7月9日のこちらの日経の記事。電子版に登録しないと内容まで読めませんが、リードの部分だけで問題が伝わると思います。

「 東京港、物流パンク寸前 インフラ戦略 ひずみ映す 進む道路整備 港は後手 五輪迫り対応急ぐ 」

内容は、中央環状線や外環道、圏央道と首都圏の道路の整備は進められてきたのに、貨物の受け入れ口である東京港の整備が遅れていて、そのひずみが今の「パンク寸前」状態を招いた、というもの。

東京港が扱った外貿コンテナ(輸出入コンテナ)の数は、03年には307万TEU。それが14年には439万TEUと1.4倍にまで急増した。ところがコンテナの積み下ろしを行うバースの数は、04年の20バースが2017年に1バース増えただけ。
(2018年の速報値は457万TEU)

いま中央防波堤の外側に、17年にオープンしたY1に次いでY2ターミナルというのを建設中で、計画を見ると今年度中の供用開始を予定しいるようです。

もう一つが海運関係の業界紙である「海事新聞」の7月30日の記事。こちらは無料のリンクが無いようなので見出しだけ引用させてもらうと、「東ト協海コン部会 輸送力 急速に低下 稼働台数、初の3万台割れ」というもの。

「東ト協海コン部会」というのは「東京都トラック協会海上コンテナ部会」のことで、記事の元となった
同協会発表の「 海上コンテナ車両運行稼働台数の推移 」の表がこちら。

港のキャパが足りないからコンテナの積み下ろしに時間がかかる。港で積み下ろしに時間がかかるからコンテナ輸送業者(ドレー業者)が採算が取れずに廃業して東京港のコンテナ輸送力がどんどん減っていく・・・。

「2019年度内供用開始予定」のY2ターミナルが、東京港のキャパオーバーを少しでも緩和してくれるといいんですが、今までの経験から行くと、オープンしたてのターミナルって、オペレーションが落ち着くまで何カ月もかかるし、その間は逆にとんでもない待ち時間(7時間とかもっと)になったりするんですよねぇ。

しばらく前から陸上の輸送については、AmazonをはじめとしたECの普及による物量の増加で、「物流危機」が大きな社会問題として注目されました。ヤマト運輸さんが大幅な値上げをしたり、というのも記憶に新しいですよね。
最近ではメーカーや大手流通さんが企業の枠を超えて共同配送の仕組みを作ったり、着実に対策が進められつつあります。

ところがその陰で、東京港の海上コンテナ輸送は、本当にこりゃまずいんじゃない、という状況になっています。

そのことを、KAUぞうはこの場を借りて声を大にして言いたいわけです・・・・日経の記事の方が、このブログよりはるかにたくさんの人に伝わってるけど・・・・。

いかがでしたでしょうか。

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[2019/08/01 00:41] | 時事ご案内 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
■ 海運・港湾、貿易業界でも”アマゾンエフェクト”?な話
この文章を書いている現在、九州南部では引き続き記録的な大雨に見舞われています。

被害にあわれました皆様、心よりお見舞い申し上げます。

7月に入りました。

KAUぞうのところは6月末が決算なもので、6月後半はなんやかやとめちゃくちゃ忙しいんです。

毎年6月半ばに翌期に向けた予算会議をやるんで、その準備のために翌期の予算を作ったり、資料を作ったり、あと品質ISO9001のマネジメントレビューだのなんだのと、本末転倒とは思いつつも、どうも内向きの仕事に追われちゃうんですよね。

そのせいで月一更新というえらく遅いペースの本ブログですが、去年、一昨年と見事に6月が跳んでます・・・。

と、言い訳は置いておいて。

今日はここのところ急速に動きが加速してきた、海運・港湾・貿易の物流情報プラットフォームについて書いてみたいと思います。

最近特に目につくようになったのが「トレードレンズ」という物流情報プラットフォーム。

マースク、ハパックロイドがIBMと共同開発し、CMA-CGM、MSC、そしてつい最近、7月2には邦船3社の定航コンテナ船事業統合会社・オーシャンネットワークエクスプレス(ONE)も参加を表明しました。

これでコンテナ船上位6社の内5社が参加を表明したことになります。(残る1社は中国船社COSCO)

その他にも、すでに中堅コンテナ船社であるジム、高麗海運、南星海運なども参加を表明していて、ONEの参加で一気に標準プラットフォーム化に向けた流れが加速しそうな勢いです。

海運会社や港湾、関連会社をコンピューターネットワークで結んで、情報の共有化・効率化を図ろうという計画はかなり以前からありました。

それこそ30年以上前、まだインターネットどころかパソコンが普及する以前の時代に「シップネット」という計画があったそうで、KAUぞうが入社したころオフィスの片隅で専用端末がホコリをかぶっていたのを覚えています。

最近では2001年に欧州系主要船社を中心に設立されたINTTRA(イントラ)というのが急成長しているとの話でした。

昨年10月にはクラウドを使用したサプライチェーンネットワークを提供する最大手クラウドベースプロバイダーである米国のイーツーオープンという会社がこれを買収。一気に国際物流のプラットフォームを制する勢いかと思われました。

・・・ちなみに「クラウドベースプロバイダー」って何?ってのは聞かないお約束で・・・。

でもその頃のイントラの社長さんのインタビューを読むと「世界全体のコンテナブッキング数のうち25%がINTTRA経由」だと話してまして、おそらく今の勢いというか流れではトレードレンズに抜かされちゃったんじゃないかと思います。

KAUぞうは別にトレードレンズと今の時点では何の利害関係もないんですが、もうちょっとどんなものか報道記事からご説明すると・・・。

ブロックチェーンを使っているので船社、税関、港湾などなど、いろいろなプレイヤーが持つ情報を、どこかのサーバーのプラットフォーム上に集めて管理するのではなくて、改ざん不可能な形で分散保存できる。

国際輸送をドア・ツー・ドアで考えると、空コンテナのピックアップから貨物のコンテナ詰め、コンテナターミナルへの搬入、輸出申告、船積み、到着港での陸揚げ、輸入申告、コンテナ出しなど120のイベントがあると分析していて、そのすべて

をトレードレンズから可視化できる、ということだそうです。

ブロックチェーンといえば仮想通貨が有名ですが、この「改ざん不可能」という特性は、貿易に使用する文書の送受信にとって大変便利だし、さらにKAUぞうのところが税関申告に毎日使っている輸出入・港湾情報処理システム(NACCS)との連携も技術的に可能だとのこと。

国際物流に関係する業界のデジタル化はこれ以外でもいろいろなところで進められていて、ソフトバンクが出資している米国のフレックスポートという会社だとか、日本のShippioなんてのもあるそうです。その他有名なところではDHLやキューネ・アンド・ナゲルなどもデジタル化の推進に力を入れているとのことです。

そういう記事とかはちらほら見てたんで、「デジタル化」の話自体はもはやそんなに珍しくはないんですが、トレードレンズに関連する記事で特にへぇと思ったのが、これがそういう国際物流業界内での競争にはとどまらないという話。

トレードレンズの本当の仮想敵は、実はなんとアマゾンだって言うんです。

確かにアマゾンは膨大な貨物を動かしている企業ですよね。DHLを超える世界最大の物流企業だとの指摘もあるそうです。

またそのデータ管理システム、能力は膨大なものだし、しかも世界1位のコンテナ船社あるマースクの実に6倍の売り上げという企業規模。

アマゾンがその力で、国際物流業界においてもプラットフォーマーの地位に向けて動き出さないなどということはあり得ない・・・。

自動車産業の自動運転技術の発展に伴うMaaS化だとか、アマゾンエフェクトによる書店をはじめとした小売業の危機だとか、いろいろ言われているのは当然知っていました。

でもいつの間にかKAUぞうのすぐ周りでも、既存の事業者と異業種から来た巨大デジタル企業との、次の時代に向けた覇権を巡る戦いが始まっていたんですね。

KAUぞうのところも、少なくともプラットフォームの活用についてはとにかく取り残されないようにしないとなぁ。

いかがでしたでしょうか。

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[2019/07/04 20:49] | 時事ご案内 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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