先日、アジア発北米向け・アジア発欧州向けともコンテナの貨物量が減ってきているという話を書きました。
今日の業界紙を見て、ついに来たかと思ったのが、「欧州航路でコンテナ船の船腹供給量の削減が始まった」という記事です。 12月6日時点で、週当たりの船腹供給量が11月上旬比4.2%減。8月と比べると7.2%も減らされているとのこと。 欧州でコロナ禍対応の収束が比較的早く始まりましたが、それを受けた貨物業の増加と海上運賃の高騰のなかで新興船社のこの航路への参入が行われました。 それが貨物量の減少によって「撤退に追い込まれた」との内容です。 ![]() 貨物輸送の混乱や海上運賃の高騰が早く収まって正常化すればいいなとは思っていましたが、こうして実際に船が減らされ始めたとなるとそれもまた不安なものです。 今度はインフレの影響による需要減少がどこまでいくのか、その先の景気後退突入の心配が頭をよぎります。 航空貨物についても日本発の11月の主要航空フォワーダー5社の輸出重量が10月と比べて16%減少となったという報道もありました。 それまで海上輸送の混乱の代替で増えていた航空便が、コンテナ物流が安定してきたために減ったことも要因のひとつと挙げられていますが、全体として物流の停滞感、正確には物量の減少感が広がってきているようです。 世界的な物流の動きでいうと、中国のゼロコロナ政策が緩和しつつあるというのが明るいニュースと言えるかもしれません。 アジアの生産・輸出拠点が、中国から東南アジアにシフトする傾向にあるという話を書きました。 長期的にはその流れはおそらく続くと思いますが、足元でアジア発欧州向けの貨物が船腹の供給調整にまで進むとなると、中国でのゼロコロナ解除による物流回復を期待していしまいます。 今年もあと2週間。 年末の駆け込みでの輸出輸入はどれくらいあるか。 固唾を呑んで状況を見ているところです。 読んで、少しは「へぇ」と思っていただけたのであれば幸いです。 引き続きご愛読のほどよろしくお願い申し上げます。 ---------- 通関業務代行・輸入手続・輸出手続を代行 します。貴社の流通業務を改善提案、エキスパートがサポートします。 |
12月2日の日経朝刊1面に、日本企業が中国からの部品などの調達を減らして新たなサプライチェーンを作ろうとしているとの記事が載りましたが、9月10月の貿易統計からも世界的な脱中国の動きが見られるようです。
北米東航=アジア発米国向けのコンテナ輸送料が、9月に続いて10月も前年同月比マイナスを記録しました。 特徴的なのが中国積みが20%と大幅な減少となったこと。 それに対してベトナムの29%増をはじめ、東南アジア積みは22%増と対象的な動きとなりました。 欧州西航=アジア発欧州向けでは9月のコンテナ輸送量が前年同月比で20%の大幅減となりました。 コンテナ輸送料の前年割れはこれで8カ月連続となります。 こちらも中華地域積みが24%の減少に対して東南アジア積みは5%増となりました。 日中間の荷動きも、9月は日本発中国向けが12%減で7ヶ月連続の減少。 中国発日本向けの貨物も6%減と、こちらは5ヶ月ぶりのマイナスとなりました。 ![]() 北米・欧州のインフレによる需要の減少や日本での急速な円安による影響も当然あると思われますが、中国発が減り東南アジア発が増えている状況を見ると物流からも世界的な「脱中国」の流れが見て取れます。 中国における製造業の集積を考えるとすべてが東南アジアに移るにはまだまだ時間がかかるにしても、長期的には貨物の流れが変わっていくことが予想されます。 読んで、少しは「へぇ」と思っていただけたのであれば幸いです。 引き続きご愛読のほどよろしくお願い申し上げます。 ---------- 通関業務代行・輸入手続・輸出手続を代行 します。貴社の流通業務を改善提案、エキスパートがサポートします。 |