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■ 船舶燃料油規制のはなし
3月に入りました。

米朝会談、決裂に終わりましたね。

この会談によって果たして日本とアジア、そして世界の安全保障の未来はどういうことになるのか。
そして国際物流はどのような影響を受けることになるのか。

予想される複数のシナリオについて検討を重ね、結果次第で原稿を差し替えようとこのブログを更新するのを待っていたんですが・・・・

・・・・ウソです・・・。

それにしても次から次にいろいろと政治イベントが続きますよね。

米中貿易戦争は、とりあえず3月からの関税の25%への引き上げは「延期」となりましたが、引き続きどうなるのか分からない状況が続いています。

中国経済の失速感と、日本の輸出産業へのその影響もじわじわ出てきた感じです。

今年は2月5日が旧正月で、例年通りここ2週間ほど中国からの輸入の貨物は止まっていました。
本来ならそろそろ本格的に動き出すところですが、今年はちょっと立ち上がりが遅いようです。

中国の都市部の景気が悪化しているため、正月で地元に帰った「農民工」の人たちがそのまま都市部に戻らないため生産再開が遅れている、なんていうような話も聞きました。

それと英国のEU離脱=Brexitも、3月29日の期限までいよいよひと月を切っちゃいましたよね。

これ、延期だの議員提案だの再国民投票だの、「合意なし離脱を否定する議案」が否決されただの、報道を聞いてもだんだん何が
何やら分からなくなって来ました。

そんなこんないろいろなことが起こったり起こらなかったりしそうなこの先数ヶ月ですが、確実に決まっている、国際物流・海上輸送に影響を与える大きなイベント(?)一つあります。

本欄でも以前少し取り上げた、船舶燃料のSOx(硫黄酸化物)規制の2020年1月開始です。

おさらいをしておくと…

2016年10月に開催された国際海事機関の海洋環境保護委員会で、船舶の燃料油に含まれる硫黄分濃度を現状の3.5%以下から0.5%以下とすること、その規制を2020年1月から適用すること、が決定されました。

これに対応するためには、現在船舶燃料となっている重油を規制対応の燃料に変えるか、スクラバーと呼ばれる排ガス浄化装置を搭載するか、エンジン自体を硫黄やCO2の排出量が少ないLNG(液化天然ガス)を燃やすものに替えるかしなければなりません。

昨年からいろいろ騒がれていたんですが、規制対応油の国際規格が定まっていない事もあって、なかなか話が進んでいませんでした。

また、燃料を現在の重油から規制対応油に入れ替えるのに、入れ替える途中に混合して燃やしてエンジンは大丈夫なのか、とか、エンジン内を洗浄するための費用は誰が持つのか、とかでも揉めていました。

「費用は誰が持つのか」ってところをちょっと説明すると、船って、運航している船会社が全部所有しているわけじゃないんです。
別に船の持ち主である「船主」がいて、そこから船会社が借りて運航している場合が多いんですね。

そこで、そういう修理費でもなければ運航費でもない費用はどっちが持つんだ、ってことになっちゃったわけです。

結局どういう話に落ち着いたのか、まだ落ち着いていないのか、ごめんなさい、そこまでフォローしていません。

あと、ようやく規制対応燃料油の規格が決まってきて、その実証実験を今年度、つまり3月中にはやれそうだ、と言う報道もありました。

この件を巡っていろいろある中で、KAUぞうのところや荷主様に一番影響があって気になるのが、結局この規制によって、いつから、いくら海上運賃が上がるのか、ってところです。

規制対応燃料油に切り替えるとして、従来よりもいくら燃料代がかかるのかってのが運賃を決める前提ですよね。
ところが実は、現状ではこれがいくらくらいになるかが分かっていません。

まだようやく国際規格が決まったか決まらないかって状況ですから、どれくらい供給できて、どれくらい需要があるのか、それが分からない以上「相場」がわかんないんですね。

今ちょうど大手荷主と船会社の間で来年度の海上運賃の交渉をしているタイミングですが、どうも燃料費の値上がり分についてはBAF(Bunker Adjustment Factor)=燃料費調整係数=で秋口以降に別途調整する方向のようです。

従来の大手同士の海上運賃の決め方は、「年間固定・オールインでいくら」ってのが多かったようですが、業界紙などの報道によると、今回の燃料油規制問題でその慣習が崩れるのでは、という期待と言うか観測があるみたいです。

オールジャパンの船会社が連合して昨年4月にサービスを開始したONE(オーシャンネットワーク エクスプレ)が立ち上がりから苦戦しているように、定航コンテナ船社は各社とも収益確保が厳しい状況が続いています。

陸上輸送については、大手の宅配業者さんとかが頑張って「物流クライシス」ってのが注目されました。そのおかげでようやく値上げについても荷主様のご理解を得られつつある状況となっています。

実は海上輸送も同様で、このまま定航コンテナ船の赤字や苦戦が続くと、日本にダイレクトで寄港するループが無くなっていく危険性が言われています。

つまり日本の港はアジアのローカル港になって、全部のコンテナが釜山とか上海、シンガポールあたりで積み替えてもらわないと、北米にも、欧州にも運べなくなっちゃう可能性があるということです。

KAUぞうのところは、陸送にしても海上輸送にしても、運送会社さんや船会社さんと荷主様の間に入って、少しでも荷主様に納得頂ける料金で輸送サービスを提供するのが仕事です。
ですから運賃を値上げしてもらっても別に儲かるわけではないんですが・・・。

コンテナや貨物をスムースに、タイムリーにお届けするため、現在のサービスレベルを維持していくために、規制の強化などによる物流費の増加についてのご理解を賜ると大変ありがたいです・・・なんて、弱気にぼそっと呟いてみたりします。

もちろん知恵を絞って、なるべく経済的で効率的な通関、国際物流をアレンジするのが一番の仕事だと肝に命じて精進して参るつもりです。

・・・えーと、お金の話になったんで畏まった終わり方になっちゃいました。

いかがでしたでしょうか。
読んで、少しは「へぇ」と思っていただけたのであれば幸いです。

引き続きご愛読のほどよろしくお願い申し上げます。


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[2019/03/02 23:47] | 時事ご案内 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
■ 2019年スタート・東京港の混雑のはなし
毎度遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。
平成最後の新年です。

ここのところ、何でもかんでも「平成最後の・・・」って枕詞がついちゃって、最初の内は「おお、そういえば!」なんて思っていたんですが、だんだんもういいかな、なんてなりつつある今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

インフルエンザやはしかが流行したり、とにかくものすごく寒かったり、当たり前ですがすっかり冬ですね。

年末年始休み明け、旧正月前までの港やドレーの混雑も、例年通りと言いますか・・・な感じです。

・・・いや、実は今回なに書こうかと思って、去年や一昨年の1月のを読み返したら毎年同じようなことを書いてることに気づいて、逆に何も書けなくなっちゃったと言う・・・。

この際開き直って、しつこく「東京港の混雑」の話を書くことにします。


毎年、年末年始の休み明けから、中国が休みになる「旧正月」までの時期、東京港は大混雑になります。
日本が休みの間に港に溜まった貨物、そして中国が休みに入る前に駆け込みで入ってくる貨物が重なるからです。

1月も終わり近くになって少し落ち着いてきたんですが、今年も年明けからなかなか大変な状況でした。

特に1/12,13,14の連休明けの週がかなりすごいことになってまして、コンテナヤードの混雑で、またもや本船が東京港に到着しても、バース(荷降ろし作業をする岸壁)につけられない状況になりました。

そうするとどうするかと言うと、冲で待っているか、先に横浜港に行ってコンテナを下し、それからまた東京に戻って来るか、ということになります。

当然日程がずれちゃうんで、KAUぞうのところでは、散々探し回ってやっと手配してあったドレーがキャンセルになり、また探し直すことになります。

ところがですね、当然その本船に積んである他のコンテナも全部日程がずれるんですから、他の会社も一斉に変更後の日程でのドレー探しを始めるわけです。

こんなのが年末のずっと手前、そして年始から何度も繰り返されいます。

もう、「うわぁ、まいったなぁ」とか「大変だ、どうしよう」なんてのを通り越して、各担当者、みんな淡々と悟りの境地で、黙々とあちこちに電話を掛けたりしてる感じでした。


本船が横浜で貨物を下し終わって、それでも東京のバースが空きそうもないとなると、今度は東京抜港、つまり東京港に寄ること自体をやめちゃいます。

で、東京分のコンテナも横浜に下しちゃって、そこから船会社が、コンテナ用の艀(はしけ)とか陸送で東京港まで回送してくれることになります。・・・これでさらに何日か遅れます。

今回聞いて驚いたのが、本船が一旦接岸してHOTO DELIVERYコンテナだけ下して、また冲待ちに戻ったのがあったって話です。

「HOT DELIVERY」と言うのは、船会社に特別料金を払ったりして、海外で積み込む時点から「大急ぎだから荷卸し港についたら優先して真っ先に下して欲しい」という手配をしたコンテナのことです。

これは最初に下すんで、オンデッキといって船倉ではなくて船の上の方、積み重ねられたコンテナの一番上の方に積むんですね。

コンテナ船て言うまでもなくすっごくデカいです。
岸壁につけるって言っても、ヨットやクルーザーをつけるのとはわけが違って、時間も掛かるし結構大変な作業だと思います。

それをわざわざ2回もやったってのは、そのHOT DELIVERYのコンテナを下さないと、横浜に行っても下にある他のコンテナが下せないとか、なにかよほどの事情があったんじゃないでしょうかね。


年末年始に限らず、ここのところ東京港はずっとヤードの混雑と、ドレーの不足が続いているんですが、一つの原因はコンテナ船の大型化です。

以前はコンテナ500個とか700個積み、なんて本船も結構あったんですが、ちょっと調べてみたところ、今は最大で9600TEU、平均して5590TEU積みの本船が東京に入港しているそうです。

今は各船社ともどんどんコンテナ船の大型化を進める方向にあります。
いっぺんにたくさん運んだ方が効率いいですし、1コンテナ当たりの燃料代とか
経費が少なくて済むからですね。

欧州航路では14000TEU積みなんてのも普通に運航しているようですし、最大は21100TEU積みだそうです。・・・今東京に入港している船の、2倍、3倍の大きさって、ちょっと想像つかないくらいですね。


そんな中で、昨年の東京港の混雑の動きをみると、以前あったような「どこそこのコンテナヤードが慢性的に混む」というのではありませんでした。
そうじゃなくて、本船が着くたびにあちらのヤード、こちらのヤードが「日替わり」で混雑した感じでした。

船が一隻着くと、以前の数倍から数十倍もの量のコンテナが一度に下されるわけですから、それはまあ混雑しますよね。

コンテナ船の大型化って、正に部分最適と言いますか、積み下ろしする港湾側の態勢・・と言っても、岸壁の水深とか、積み下ろしするクレーンの大きさだけでじゃなくて、運用などのソフトも含めた全体として態勢を考えないと、結局ものすごく非効率なことになっちゃってるのが現状な気がします。


今年の旧正月は2月5日。

いつもならもっとぎりぎりまでドタバタしているんですが、すでに少し落ち着きつつあって、今年は全体として前倒しで動いたみたいです。

荷主様各位に、東京港やドレーの混雑状況についてご理解いただき、かなり余裕を持って動いて頂いたお蔭だとの話も聞きました。
ありがとうございました。


と言うことで、何とかひとつのピークを乗り越えつつあるんですが、怖いのは今年の、そう、「あれ」です。

・・・・ゴールデンウィーク10連休!!

KAUぞうの業界に限らず、誰も経験したことが無いこの事態、何がどうなることやら・・・。


いかがでしたでしょうか。

読んで、少しは「へぇ」と思っていただけたのであれば幸いです。

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[2019/01/29 16:30] | 時事ご案内 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
■ 2018年を振り返ってと2019年の展望
2018年も押し詰まって参りました。
えらく大層なタイトルになりましたが、今回は恒例になりつつある、年末振り返りネタです・・・。

日本漢字能力検定協会が全国公募で決定した今年の漢字は「災」だそうで。
確かに今年は自然災害が多い年でしたね。
被害に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。


大阪や北海道での地震もありましたが、物流に大きな影響を与えた災害としては、7月の西日本豪雨による山陽本線の寸断。そして9月、台風21号による関西国際空港と、大阪・神戸港の被害が一番だったでしょうか。

関空、海上に作った空港とは言え、台風であんなになっちゃうとは驚きでした。
おまけに唯一の輸送ルートである橋に貨物船がぶつかって壊れちゃうってのも予想外でしたよね。

あそこの橋、なんでベイブリッジやレインボーブリッジみたいな吊り橋じゃなくて橋げたなんだろうと思ったら、橋の長さが3.75kmもあるそうな。
行ったことが無かったんですが、ホント正真正銘、かなりの「海上」空港ですね。

あの被害により関空の航空貨物の取扱いがしばらく止まった影響で、成田・羽田両空港に貨物があふれました。
かなりひどかったようで、到着した貨物が上屋に入りきれず、貨物搬入の登録が出来ない状態も数多く発生しました。

KAUぞうのところでも、成田に到着したはずのお客様の急ぎの貨物が何日も見つからず、ようやく見つかったと思ったら屋外に置いてあったために台風の大雨で全損・・・などという事故もありました。

また港湾でも、コンテナがぷかぷか浮いている映像がニュースでも流れましたよね。

神戸・大阪港の荷役機能の低下でドレー(海上コンテナ輸送用トレーラー)の回転が悪化。その為阪神港でドレーがまったく確保ができない状況が起きました。

さらに阪神港から名古屋港へ、名古屋港から京浜港へと玉突き的に貨物が動いたために、名古屋港や京浜港でも、混雑とドレー不足に拍車がかかるといった状況も発生しました。


とにかく今年は台風の影響で慢性的に本船のスケジュールが遅れ、ずーっと港とドレーが混雑し続けていた印象です。

スケジュール調整のための抜港(寄港予定のキャンセル)が相次ぎ、船に積み損ねた輸出のコンテナがコンテナヤードにあふれて荷役の効率が低下。

ここのところ改善していたコンテナの積み込み・積み下ろし作業の待ち時間も増え、ドライバー不足や労働時間管理の厳格化でただでさえ不足気味だったドレー不足が更に悪化。

毎日ひたすらドレーを探し続け、やっと押さえたと思ったら船の入港スケジュールがかわり、また探しまくって、結局従来よりもはるかに高い運賃で何とかやってもらう・・・。
今年はいつもに増してそんな年だった気がします。

・・・ただの愚痴になりつつありますね・・・・。


大きなところに目を向けると、世界の海運業界では船舶燃料のSOx(硫黄酸化物)対策が大きな問題になりました。
この規制は2020年1月から、燃料油中のSOx濃度を、現行の3.5%以下から0.5%以下に強化するというものです。

これに対応するには、スクラバー(排ガス浄化装置)を搭載するか、LNG(液化天然ガス)に対応するエンジンや新造船に切り替えるか、硫黄分0.5%以下の燃料に切り替えるか、しなければなりません。

いずれも大変な費用が掛かりますし、一番現実的な硫黄分0.5%以下の燃料への切替も、肝心の燃料油について現時点で国際標準となるISO規格が固まっていない状況。

国内外の石油会社がそれぞれ独自に開発して、サンプルをテストエンジンで燃やして不具合が無いか結果を検証している段階とのこと。

年が明けると規制スタートまで残り1年になるわけで、世界中を運航しているすべての船がこれに対応する、またそのために新燃料の製造・供給・給油のインフラを整えることまで考えると、時間的にも、費用的にもとんでもなく大変な話で、海運業界にとって最大の課題です。

費用については当然運賃への転嫁が行われる見込みで、コンテナ船においてもほとんんどの船社が特別のサーチャージを導入することを発表しています。


国際物流にかかわる今年の重大ニュースと言えば、何と言ってもトランプ大統領が仕掛けた米中貿易戦争です。

そしてそれのカウンターとしてどこまで自由貿易を守る力になり得るか、TPP11(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)の12月30日発効。
そして来年2月1日の発効が決まった、日EU・EPA(経済連携協定)があります。

今年は年末と年明け早々に、日本にとって大変大きな貿易協定の発効が二つもあるわけで、原産地ルールの適用とか、KAUぞうのところの仕事的にもいろいろややこしい・・・もとい、通関のプロとして取り組みがいのあることになりそうです。

さらに遅くとも来年3月に交渉開始が予想されている、日米物品貿易協定(TAG)の行方も、国際物流に大きな影響を与えることになりそうです。


アジアと北米間の物流ですが、米中貿易戦争の影響で、当初は夏かせいぜい秋くらいまでは駆け込みの増加があって、それ以降は大きく減るんじゃないかと思われていました。

しかし11月の北米東航(アジア18か国・地域発米国向け)の貨物量は、単月で過去最多を記録。全体では前年度月比7.9%の増。中国出しは8.4%増という結果となり、今のところむしろプラスの影響となっています。

現在の状況を整理すると、米国は対中輸入品への追加関税として、500億ドル分の物品については25%、2000億ドル分については10%をかけています。

1月からこの2000億ドル分についても25%への引き上げを行う、というのが前提で「中国からの駆け込み輸入」が起きていたわけですが、これを「最大90日間猶予する」としているのが現在の状況。但しこの「90日間」も確約ではありません。

いずれにしても、この間の北米向けの貨物量の増加は明らかに需要の先食いなわけで、この年末、そして来年は2月5日になる旧正月前後の物流の動きがどういうことになるか、予想しづらい状況となっています。


EUも、合意なしの英国の離脱(Brexit)の可能性が強まったり、ドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領が相次いで支持率を急低下させたり。
そしてここに来て、米日での株価急落です。

平成も終わりとなる2019年、一体どういう年になるんでしょうね。

そしていつもより長い年末年始のお休み中、KAUぞうの体重はどのような変化を遂げることになるのでしょうか・・・・。


いかがでしたでしょうか。

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[2018/12/25 17:47] | 共同フレイターズに関して | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
■ CRUは東京港、東京オリンピック、そして世界を救えるか?その2
11月も終わりになってようやく本格的な寒さを感じるようになってきました。

今年は北海道の初雪が観測史上最も遅かったり、11月なのに台風28号、29号が発生して沖縄へ接近したり、やはり「これも温暖化のせい?」と思えるニュースが多いように感じます。

ようやく鎮火したようですが、カリフォルニアの山火事もものすごかったですね。
あれもいろいろ話になっていますが、やはり温暖化が一つの原因みたいですね。


さて、今回も前回に続き、海上コンテナの効率的輸送によってCO2排出量の削減にもつながる、CRU=コンテナ・ラウンドユースのお話をします。

前回、

・陸送されている海上コンテナの半分が空っぽであること、

・それを解消するために、輸入の貨物を下した後の空コンテナを港まで戻さずにそのまま輸出に利用する方法があること、

・これをコンテナ・ラウンドユース(CRU)と言うこと、

などをお話しました。

実施に当たってはいくつかのハードルがあるけれど、ここのところCRUが急速に脚光を浴びていて新しいフェーズに移りつつある・・・というところまでだったと思います。


前回、CRUを実施する上でのハードルとして

1.輸入コンテナの貨物を受け取る会社と、輸出する空コンテナに貨物を詰める会社との作業のタイミングも含めたマッチング

2.コンテナは船会社の物なので、輸出と輸入の船会社が同じでなければならないこと

3.CYでのチェックを通さずに輸入コンテナを輸出に転用した場合、コンテナが壊れたり、汚れていた場合の責任の問題

等をあげました。

実はこれらを解消する強力な方策があるんです。

それはなにかというと・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

そう、ICDです!!

・・・・ごめんなさい、すぐ何の略称か説明しますから怒らないで読んで下さい・・・・


ICDとはインランド・コンテナ・デポの略で、内陸コンテナ置き場のことです。

つまり、輸入の貨物を下した空コンテナを一旦ここに集めて、輸出の為のコンテナが必要になった時にここから持っていく、という仕組みです。

内陸コンテナ置き場と言っても種類がありまして、文字通り一時的にコンテナを置いておく「置き場」から、保税蔵置場としての承認を受けていて、そこで通関まで出来ちゃう内陸コンテナヤードもあります。

これによってハードルの1.の輸出と輸入のタイミングの調整の問題がかなりクリアされますよね。

また、内陸コンテナデポの管理者が輸入コンテナのチェックを請け負うことで、ハードル3.の、輸入に使用した空コンテナの故障や汚れの問題も解決することが出来ます。

さらに、複数の船社が内陸デポを共同して利用すれば、2.の「輸出と輸入の船会社が同じでなければならない」というハードルもクリアしやすくなり、マッチング率もあがります。

内陸コンテナデポ設置の取り組みは地方自治体などとも協力しながら着実に進められています。


この内陸コンテナデポ、しばらく以前からCRUの切り札として存在していたし、前回紹介したKAUぞうのところも会員の、環境NPOエスコットでも積極的な取り組みをしていました。

しかし当初は、これはCRUへの取り組み全体に対してもそうなんですが、

「コンテナ輸送の効率化を通したCO2の削減」とか

「道路や港湾地区の混雑の削減」とか、よりも、どちらかというと

「輸送距離の短縮によるコスト削減」というのが、多くの荷主企業にとって関心の中心だったように思います。

その為、実際にコンテナを運ぶ運送業者さんにとって、

「二往復するよりいくら運賃を下げられるのか」

が荷主企業との間で話の中心になってしまい、輸出入企業のマッチングだとか、ブッキング船社や作業スケジュールの調整だとか、いろいろかかる手間に対してあまり割に合わない仕組みだったってのがなかなか普及しない背景にありました。

それがここにきて大きく変わってきたのが、社会的に大きく認知されてきた、「物流危機」と言われるようなドライバー不足、輸送力不足の問題と、特に東京港では、残り2年を切ったオリンピック開催期間中の渋滞対策問題です。

今のところストレートに「CO2削減」という環境問題からではないんですが、大手荷主企業様、大手国際物流業者さんなどがかなり強力に取り組みを開始して、大きくドライブがかかって来た感じです。

具体的スキームについて詳しく説明すると、国際物流の巨人であるN通さんとか、某大手建機メーカーの物流子会社さんとかの宣伝になっちゃうんであれなんですが・・・。


KAUぞうも日々の実感として、コンテナを陸送する輸送力の不足を痛感しています。
例えば、現時点で20’コンテナについてはすでに年末まで予約がいっぱいの状況です。

今度の1月年明けは5日、6日が土日にあたりますから、その分港にコンテナがたまります。

中国・東南アジアが休みになる旧正月も来年は2月5日と比較的早いので、1月7日の月曜から旧正月まで、例年以上にドレー(トレーラー)を押さえるのが大変になりそうで、今から頭が痛いところです。

内陸デポの活用とCRUが少しでも拡大して、この状況が少しでも改善すればいいなと、強く強く願っています。


CRUは東京港の混雑、東京オリンピック開催時の渋滞問題を解決できるか?

地球温暖化阻止の為のCO2の削減に貢献していけるか?

そして何よりもこれからますます厳しくなるドレー不足を少しでも緩和して、KAUぞうの安心・平和な世界救えるか?・・・・・・・・え?・・・・・


いかがでしたでしょうか。

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[2018/11/26 23:53] | 時事ご案内 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
■ CRUは東京港、東京オリンピック、そして世界を救えるか?
すっかり涼しくなりました。
涼しいというより、朝とか寒いくらいですよね。

そんな季節にも関わらず発生した「猛烈な台風」。

ハワイでは、ハリケーンで、ウミガメの産卵地でもあり絶滅危惧種のアザラシの生息地でもあった島が消えちゃったとか。

あちこちで大変なことが起きているようです。
やっぱり地球温暖化が原因なんでしょうか。

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が10月8日、韓国の仁川で開いた会合で特別報告書を発表したとのこと。

「産業革命前からの平均気温上昇の上限を1.5度に抑えることが目標。このままだと2030年に1.5度を超える」

「1.5度の上昇ならなんとか対応できるが、2度上昇した場合ははるかに甚大な影響を受ける。」

「人類が温暖化に対応できるかどうかの瀬戸際だ」「その為には今すぐ行動しないと!」

等という、かなりテンションの高い報告書のようです。


今回はそれにちなんで・・・というわけでもありませんが環境がらみと言えば環境がらみの話です。


タイトルにもした「CRU」。

いったい何のことだと思いますか?

もったいぶっても仕方がないんで言っちゃうと「コンテナラウンドユース」の略称です。
「コンテナ・ラウンド・ユース」です。

・・・まだなんのこっちゃか分からないですよね。

普通、日本国内の道路を走っている海上コンテナって、実は半分は空なんです。
なぜかというと・・・

輸入されてきたコンテナは、港から国内の納品先の倉庫とか工場まで荷物を運んで下した後、空になって港まで戻ります。

輸出するためのコンテナは、港から国内の工場とか倉庫とかまで空で運ばれて、そこで荷物を詰めて港に戻ります。

だから道路を走っているコンテナの半分は空っぽ。空の箱だけ運んでるんです。
これってものすごく無駄だし、道路や港湾地区の混雑の大きな原因にもなりますよね。

そこで、輸入の貨物を運んだ後の空コンテナを港に戻さず、そのまま輸出する貨物を詰めてから港に戻すようにする。
そうすれば道路を走るコンテナの数、港湾地区に出入するコンテナの数を半分にできる。

これが「コンテナラウンドユース」です。

燃料も節約できるし、排気ガス・炭酸ガスの発生も減らせるし、いいことづくめですよね。

考えたら当たり前のことで、簡単に出来そうなんですが、実際にやろうと思うといろいろなハードルがあります。

まず一つ目が、輸入コンテナの貨物を受け取る会社と、輸出する空コンテナに貨物を詰
める会社とのマッチングです

地理的に近くなければ意味がないですし、コンテナの中身を下すのと、中身を詰める作業とのタイミングも合わなければなりません。

二つ目が、輸出と輸入の船会社が同じでなければならないこと。
コンテナって基本的に船会社の物なんです。(船会社がリース専門会社から借りているものもあります)

道路を走っている海上コンテナを見たことがある方はわかると思いますが、コンテナによって色も違うし、横に書いてあるマークも違いますよね。

輸入貨物を積んできたA海運のコンテナに、B海運に積んで輸出する貨物を詰めるわけには行かないってことです。

三つ目に、コンテナが壊れたり、汚れていた場合の責任の問題があります。

港湾地区にある、本船に積み下ろしするコンテナを置いておく「コンテナヤード(CY)」。
ここにコンテナが出入する際にはゲートがあって、コンテナを横からも上からもチェックして、壊れたり、穴が開いたりとかの異常がないかを確認します。

空のコンテナが戻って来た際には、コンテナの中が汚れていないかも確認して、汚れていたら洗浄します。

輸入貨物を下したコンテナをそのまま輸出に使った場合、もしコンテナのどこかに穴が開いていたり、例えばコンテナの床に油汚れがって、それが輸出する製品のカートンに付いたりしたらだれが責任を取るのか?

他にも、運送料の問題とか(ある地域と港との同じ一往復でも、片方空なのと、両方重い荷物を積んでいるのでは燃料費も違うし、2回積み下ろしを待つ待機時間もあるのに・・等)、いろいろと超えなきゃならないハードルがあるんですね。

このコンテナラウンドユース、KAUぞうのところも会員として初期のころから参加している環境NPO エスコットというところがもう10年以上前から取り組んでいます。

・エスコット公式ページ http://npo-escot.org/
・マッチング支援プラット・フォーム(GCM―system)ページ http://gcm-sys.org/

船会社、運送業者、輸出入の荷主企業、KAUぞうの所のような通関業者・利用運送業者、それに大学の先生なんかも加わったNPOです。

KAUぞうのところは、ここのところあまり会議への出席率も良くないんで、胸を張って「会員として頑張ってます」とは言いづらいんですが・・・。

長年地道に取り組んできたコンテナラウンドユースですが、実はここに来て、急速に脚光を浴びて新しいフェーズに移りつつあります。

それというのも・・・・

・・・長くなりました。続きはまた次回ということで・・・・
(もったいぶってもタイトルでばれている気がしますが・・・)


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[2018/10/27 12:16] | 通関業・基本 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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